作者:桜めっと
光の届かない深い場所で、誰かが微笑んでいる。
その笑顔は、画面の向こうでしか見えない幻影。
誰かを癒し、誰かを惑わせ、そして誰かを傷つける。
ネネコという名の、可愛らしい仮面をかぶった少女。
でも、その微笑みは本物だろうか?
優しい声で囁かれる言葉の裏に、ほんの僅かな淀みがあると気づいたのは、いつからだっただろう。
—— 画面の向こうにいるのは誰なのか?
私たちは、誰も彼女を知らないはずだった。
けれど、それでも追い求めるのはなぜなのか。
まるで、迷い込んだ森の奥から呼ばれる声のように。
その声に導かれて、彼女を知ろうとするたびに、
心に奇妙なさざ波が立つ。
それが純粋な憧れなのか、狂おしいほどの執着なのか。
どちらなのかもわからないまま、ただ、誰もが彼女を探している。
気づけば、振り返るたびに冷たい視線が背中をなぞる。
まるで、誰かがずっと見守っているかのように。
—— 画面の向こうにいるのは 、果たして誰なのだろう。